10/17までに32節を終えて残り6節となりました。今節は下位同士の対戦が多く、様々な動きがありました。今回は、過去の残り6節時点での順位表と最終節終了時の順位表と比較してJ1の残留予想をしてみました。最後までお付き合いいただけますと幸いです。
細かなデータよりも結論を、という方は「過去データと今年の比較」だけでも過去のデータがある程度分かるようになっていますので、そちらをご覧ください。
下位順位表
まずは、2021年のJ1第32節終了時点での下位順位表から。
順位 | TEAM | 勝点 | 試合数 | 得失差 | 試合残 | 1試合当たり勝点 | 勝点37まで |
13 | 柏 | 37 | 32 | -11 | 6 | 1.16 | 0 |
14 | G大阪 | 34 | 32 | -14 | 6 | 1.06 | 3 |
15 | 清水 | 32 | 32 | -15 | 6 | 1.00 | 5 |
16 | 徳島 | 29 | 32 | -20 | 6 | 0.91 | 8 |
17 | 湘南 | 28 | 32 | -7 | 6 | 0.88 | 9 |
18 | 大分 | 27 | 32 | -25 | 6 | 0.84 | 10 |
19 | 横浜C | 25 | 32 | -39 | 6 | 0.78 | 12 |
20 | 仙台 | 23 | 32 | -28 | 6 | 0.72 | 14 |
清水-柏は、柏が勝利で勝点37到達。前回の記事で勝点37がJ1残留のボーダーと予想しました。
残り6節ありますから37から多少の上乗せはあるでしょう。ということで、柏はほぼ残留確定と思います。おめでとうございます。
G大阪は浦和と1-1の引き分け、横浜C-徳島は、横浜Cが5-3で勝利。湘南は鳥栖と引き分け、大分-仙台は大分が勝利。
順位は大分と横浜Cが仙台を追い抜き、仙台が最下位に。その他は順位の変動はありませんでした。
ここで、過去の残り6節時点での順位表と最終節が終わった時点での順位の変動が気になったので、調べてみました。
過去の残り6節での順位表と最終節終了時の順位表
2010年までのうち8シーズン分のデータを調べてみました。2020年はコロナの影響で試合の進み方がチームごとに違ったこと、2016,2015は2ステージ制だったため、データから除きました。その他の結果は以下のとおりです。細かな情報が不要な方は、次の「過去データと今年の比較」でも概要をまとめてありますので、そちらまで飛ばしても大丈夫です。

ご存じのとおり、チーム数が18であったため、28節終了時点が残り6節であり、34節が最終節でした。2021年度は20チームのため、32節終了時点が残り6節、38節が最終節となる点で異なります。
今年度とチーム数は異なりますが、残り6節、下から4チームとそれよりも上のチームがどのように入れ替わったかを調べることで、下位チームの逆転がどの程度あったのかを調べました。逆に言えば、上位にいたチームがどの程度そのまま下位4チーム以下に落ちなかったのかも知ることができます。
緑で色付けた部分は入れ替え戦へ行ったチーム、青色はJ2降格確定のチームです。
黄色は、残り6節の時点で下から5位(14位)よりも上にいながら最終節終了時点で下位4位(15位)以下に落ちたチームです。8シーズンで4チームが該当(2018年磐田、2014年大宮、2012年神戸、2010年東京)しました。
オレンジ色は、逆に残り6節の時点で下から4位(15位)以下にいながら最終節終了時点で下位5位(14位)以上に上がったチーム です。残り6節の時点で下位4位以下にいたチームは8シーズンで延べ32チームあり、下位4位から脱出したチーム(つまりオレンジ色で色付けしたチーム)は、そのうちの4チーム( 2018年鳥栖、2014年甲府、2012年大宮、2010年大宮 )でした。
2018年の磐田は、残り6節で下から7位(12位)、最終節終了時で下から3位(16位)、勝点は残り6節で33から最終節終了で41と残り6節で勝点+8でしたが、入れ替え戦へ。
同じ年の鳥栖は、勝点+11(33→41)下3位→下5位で降格圏脱出。残り6節時点での磐田と鳥栖との勝点差は3でした。
2014年の大宮は、勝点+4(31→35)下5位→下3位で降格。甲府は勝点+11(29→41)下4位→下6位で残留。残り6節時点での大宮と甲府との勝点差は2。
2012年の神戸は、勝点+5(34→39)下5位→下3位で降格。大宮は勝点+12(32→44)下4位→下6位で残留。残り6節時点での神戸と大宮の勝点差は2。
2010年の東京は、勝点+8(28→36)下5位→下3位で降格。大宮は勝点+14(28→42)下4位→下7位で残留。残り6節時点での東京と大宮の勝点差は0。
以上から見えてきたことを今年に当てはめてみます。
過去データと今年の比較
上記のデータから言えることは、
- 逆転残留したチームと転落したチームとの残り6節時点での最大の勝点差は3
- 下位2位以下からの逆転残留無し
- 複数チームが逆転残留した例はなし
- 逆転残留したチームは、残り6節で勝点を11~14上乗せしている
といったあたりでしょうか。以下、細かく見ていきたいと思います。
柏とG大阪は安全圏へ?
逆転残留したチームと転落したチームとの残り6節時点での最大の勝点差は3(2018年の磐田と鳥栖)でした。個人的には、意外に小さいなと感じました。つまり、思っていたよりも大逆転というのは起きていないんだな、ということです。
柏(13位・勝点37)と湘南(17位・勝点28)の勝点差は9あり、G大阪(14位・勝点34)と湘南の勝点差は6あります。逆転した最大の勝点差が3であったことを考えると、その倍である6点以上の差を付けた柏とG大阪は、安全圏に達したといっても良いのではないでしょうか。
湘南がG大阪を逆転するには勝点を1節1点ずつ詰めなければなりません。しかも、G大阪からすれば万が一湘南に逆転されても清水と徳島のどちらかに逆転を許さなければ残留です。と考えれば、G大阪までは残りの勝点差から安全圏に入ったと考えてもよさそうです。
清水と徳島の憂鬱
上記のとおり残り6節時点で下位4位以下にいたチームが逆転残留するということは2年に1度起きています。つまり、湘南~仙台のどこかが残る確率は50%とも言えるでしょう。逆に、清水か徳島のどちらかが落ちる可能性も50%ある、とも言えます。
清水(15位・勝点32)は湘南に勝点4差を付けていますが、次節が首位の川崎でその後も中位のチームとの対戦が続き、下位チームとの対戦がありません。ACL争いも降格も無いチームとの対戦が多く残されておりモチベーションの面から有利、という意見もありそうですが、単純に上位との対戦ですからね。前回も書きましたが、下位8チームの中で残りの対戦カードから期待できる勝点が圧倒的に低いことが悩みの種です。
徳島(16位・勝点29)は、湘南との勝点差が1しかない上に、湘南よりも残されたカードがハードである点が悩ましいです。ただ、湘南、大分との直接対決が残っていますので、これらに勝利することができれば直接引導を渡すことができます。最悪引き分けでも勝点が縮まらないのでOKかもしれません。
湘南、大分との対戦結果は、清水にも大きな影響を与えることになりそうです。
湘南と大分、残留できるとするならどっち?
下位4位以下にいたチームが逆転残留する可能性が50%というのは、逆転残留したい側からすれば、たった50%です。しかも複数チームが逆転残留したことはないので、残留できるとしてもどこか1チームである可能性が高く、湘南と大分の両チームが晴れて残留ということは各チームの残りのカードからしてもなかなか難しいことでしょう。
逆転残留したチームが残り6節で勝点11~14を稼いでいることを考えると、残りのカードで上位との対戦が残っていない湘南の方が有利と考えられます。残るとすれば湘南、と言ったところでしょうか?
ただ、残り6節で勝点11というと少なくとも3勝をする必要があります。TK blog予想の残留ライン37に達するにも3勝が必要です。33節の横浜C、36節の仙台、37節の徳島の全てに勝つことでやっと残留が見えてくる、と考えるとやはりなかなかハードですね。
横浜Cと仙台は正直厳しい
過去8シーズン分のデータを見る限り、下位2位以下からの逆転残留はありません。この点から横浜C(19位・勝点25)と仙台(20位・勝点23)は、なかなか厳しいものがあります。特に仙台は、残留圏ぎりぎりの徳島(16位・勝点29)にさえ勝点6の差があります。1節当たりで勝点1を詰めるのが困難なのは、上で述べた通りです。
横浜Cは厳しいながらも徳島との勝点差が4であること、17位湘南、18位大分との直接対決が残っていることからまだ目があるようにも見えます。ただ、横浜Cは上位である鳥栖、神戸、下位に対する取りこぼしの少ない札幌との対戦が残っています。下位4チームから複数チームが残留した例がないことと、逆転残留したチームが勝点11~14を上乗せしていることも考えると、横浜Cも残留することは相当に厳しいものと考えられます。
いかがでしたでしょうか?12/4(土)の最終38節まで残り1月半で6節となりました。次節も徳島-大分、湘南-横浜Cと下位同士の直接対決があります。ますます残留争いから目が離せません。今後も適宜更新していきたいと思いますのでお付き合いいただけますと幸いです。
ここまでお付き合いいただきありがとうございました。
それではー。
